変わりゆく奈良の山村を舞台に
老人と姉おとうとが織りなす静かな物語
まほらの糸
「朝起きて、なにもすることがなかったら……生きてんのやら死んでんのやら」定年後の無聊を慰める男、雄吉(うだしげき)がつぶやく。そんなある日、雄吉は「ブンメイが攻めてきて、秘密のトンネルがなくなってしもた」という不思議な少年ムー(横山龍之介)と出会う。開発で山が崩されたのだ。ムーの姉多津子(川合佐世子)は、亡き母のあとを継いで、神社で演じられる能の装束のために奈良晒を織っている。離婚した雄吉は、どこかしら影を背負いながらも懸命に生きる姉弟と次第に心を通わせるようになる。祭りの日、半分残った秘密のトンネルに入った雄吉とムーは、その奥から鬨(とき)の声を聞く。そこには、大阪夏の陣で敗死した姉弟のご先祖さまの侍大将の勇姿が! 他日、雄吉は雨に打たれる多津子を自転車に乗せて神社で雨宿りをする。神異か雷鳴か、轟音が鳴り響いたそのとき、多津子は思わず雄吉にしがみつく。そっと引き寄せる雄吉……。多津子が織り上げた奈良晒を装束に、金春流の能楽師が謡曲「大阪夏の陣」を舞う幽玄の暮夜。初老の男の孤独と、はかない恋慕。一途に生きる姉弟と男が織りなす人間模様を静かに描く。
(2010年/日本/80分/DV/上映委員会配給)
 
平岡泰博、うだしげき
川合佐世子、うだしげき、奥澤清秀 ほか
販売なし
一般1,500円
専門・大学生1,300円
中・高・シニア1,000円
<< クリック

Sorry Japanese Only. Copyright (C) 2002-2010 The Seventh Art Theater. All rights reserved.
第七藝術劇場Webサイトの画像、文章の転載は禁止しております。