市川準の新・東京物語
今年は早くも市川準の三回忌を迎える。昨年ナナゲイの追悼上映は、この映画作家の「人を見る歓び」としての7作品を選び、多くの人々に新たな感動を味わっていただきました。今回も市川準研究会と第七藝術劇場の共催により、まず長編第一作から長編十六作目で最後の作品となった中から、監督が生まれ、生きて、そして愛したまち“東京”が舞台となった映画7作に、特集上映のために制作された短編2作を加え上映します。二十年に及ぶ東京の風景は、そのまま日本の社会や若者たちの変還であり、今改めて市川監督が、時代に生きた体温を伝えていたのだと切実に思います。
BU・SU(1987年/95分/DV/東宝)
【出演】富田靖子/大楠道代/伊藤かずえ ほか 【脚本】内館牧子
★キネ旬ベストテン8位/ファーイースト映画祭招待04
東京に転校した不機嫌なブスの少女麦子の屈折したこころの病が癒されていく過程を新人と思えぬこまやかな映像で描いた監督デビュー作。
東京兄妹(1995年/92分/アスミック・エース)
【出演】緒形直人/栗田麗/手塚とおる ほか 【脚本】藤田昌裕/鈴木秀幸/猪股敏郎
★キネ旬ベストテン2位/ベルリン映画祭国際批評家連盟準賞/芸術選奨文部大臣賞
東京の中の時を忘れたような町で生きる兄とその妹。しかし新しい時代と恋に目覚めていく妹。愛惜極まりない筆致で描く名作。
東京夜曲(1997年/87分/松竹富士)
【出演】長塚京三/賠償美津子/上川隆也/桃井かおり ほか 【脚本】佐藤信介
★モントリオール映画祭最優秀監督賞
東京の下町の商店街を舞台にした「大人の恋愛映画」。自身と同世代の主人公に託した市川準の愛のセレナーデ。
ざわざわ下北沢(2000年/105分/パグポイント)
【出演】原田芳雄/北川智子/小澤征悦 ほか 【脚本】佐藤信介
★日本映画批評家大賞作品賞
シネマ下北沢の仲間たちを中心につくられた純度(準度?)100 % の産直映画の傑作。ブレイク寸前のあの名ピアニストの存在も必見!!
東京マリーゴールド(2001年/97分/電通)
【出演】田中麗奈/小澤征悦/長宗我部蓉子/樹木希林 ほか 【脚本】市川準
現代の東京の最先端の街角から懐かしい雰囲気を残す下町までを舞台にした若い女性の刹那的でリアルな恋愛模様。
トニー滝谷(2005年 / 75分 / 東京テアトル)
【出演】イッセー尾形 / 宮沢りえ ほか 【原作】村上春樹 【脚本】市川準 【音楽】坂本龍一 
★ロカルノ映画祭審査委員特別賞/国際批評家連盟賞/ヤング審査委員賞/ラス・パルマス国際映画祭審査委員特別賞/高崎映画祭最優秀作品賞
ひとを愛することの喜びと、愛するひとを失う切なさ…。文豪・村上春樹がむかし発表した短編を市川準が斬新な手法で映画化したやさしくて悲しい感触映画。透明感溢れる傑作。
あしたの私のつくり方(2007年/日活/97分)
【出演】成海璃子/前田敦子/石原真理子 ほか 【脚本】細谷まどか
監督デビューから二十年!携帯メールが活きる術になった現代の女子高生を、みずみずしいタッチで描いた市川準の新しい時代を予感させる傑作。

★ 特集上映のために制作された短編作品 ★
市川準の背中(43分)
撮影:市川準/市川幸子
編集:末永智也

人を観るよろこび(42分)
撮影:市川準
編集:貝本敏弥

料金
一般・大学生:1,200円
中・高・シニア:1,000円

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