昨日、『ボーン・アイデンティティー』、『ボーン・スプレマシー』と続くシリーズ最新作『ボーン・アルティメイタム』の初日のレイトショーに駆けつけました。最近、シリーズ物で私が唯一追いかけているシリーズです。
TOHOシネマズ梅田の450席がほぼ満席の状態で、シリーズ愛好者としては嬉しい限りです。
そして作品の出来はと言うと、シリーズ中の最高傑作であると同時に、最近のアクション映画ではすこぶる上出来の部類に入るでしょう。
スパイの暗殺者ものというジャンルに入る作品だけに、3作品ともそうですが、物語の舞台として世界各国の都市が登場します。本作では、モスクワ、パリ、ロンドン、マドリッド、タンジール、そしてニューヨークと物語の舞台が目まぐるしく変わります。
そこで繰り広げられる主人公ジェームズ・ボーンとCIAとの死闘は、手に汗握るアクションの連続です。主人公を演じるマット・デイモン自身がほとんどのアクションシーンを演じているのですが、私の大好きなスティーブ・マックイーンを彷彿とさせるほどです。
彼らの死闘は、携帯電話とネットという最新機器を駆使して行われるのですが、そこで演じられるアクションは街の人込みの喧騒の中を走る、建物の屋上から屋上へ飛び移るなど生身の肉体の跳梁です。
そのアクションは、それぞれの都市を映し出す緩やかな空撮による水平運動から始まり、街の喧騒の中での疾走(人と人、カーチェイス)、建物の屋上から隣の建物への跳躍という超人的な水平運動に移り、建物から転落という垂直運動で終焉を迎える。その小気味良い運動のリズムが続きます。あたかも登場人物たちは転落という垂直運動を目指すかのように息を咳って建物を駆け上ります。
そして、それらの運動を手持ちカメラが同じく息を咳って追いかける様は、ドキュメンタリータッチという殻に収まらない破天荒ぶりです。
この作品のラストが、屋上からの主人公の落下、その後の緩やかな水中での遊泳運動に移って行くのは何か次の物語を暗示させます(本作が完結編ですが・・・)。
マット・デイモンの身体的演技の素晴らしさは当然ですが、脇を固める役者陣も曲者ぞろいで魅力たっぷりです。
特にCIAマドリッド支局員ニッキー(ジュリア・スタイルズ)とボーンが出会い、妙なラブシーンに展開しないのも好感が持てますね(昨今のハリウッドのアクション映画の水増し的なラブシーンには正直、うんざりしているので)
ドキュメンタリ?映画出身のポール・グリーングラス監督の名は、アクション映画の歴史に輝かしい名を刻みつけたと思います。彼の『ユナイテッド93』も見なくては・・・・。(支配人 松村)