カイエ・デュ・シネマ
  「山猫」
  「地獄に堕ちた勇者ども」
  「ベニスに死す」
「ルートヴィヒ〜神々の黄昏」
  「時計仕掛けのオレンジ」
  「ダントン」
  「八月の鯨」
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「ルートヴィヒ〜神々の黄昏」
監督:ルキノ・ヴィスコンティ伯爵

本作品も、“ドイツ三部作”の一つに数えられる。
いずれ劣らぬ絢爛たる豪華さで以って特徴とされるヴィスコンティ伯の作品の中でも、其の極め付きといえる煌びやかなる美術を誇る超大作である。

作曲家リヒャルト・ヴァーグナーに心酔し、また建築に異様な情熱を燃やしかのノイシュヴァンシュタイン城をはじめ数々の城を建立し、最後は狂死した「バイエルン(ババリア)の狂王」ことヴィッテルスバッハ王家のルートヴィヒU世を主人公に、王の18歳から湖水における謎の死までを、あのヘルムート・バーガーが見事に演じ切っている。
またルートヴィヒ王の従姉でヴィッテルスバッハ大公家からオーストリア・ハンガリー帝国の皇室ハプスブルク家に嫁ぎ皇帝フランツ・ヨーゼフT世の皇后となった(後に暗殺より悲劇的な死を遂げる)エリーザベトをロミー・シュナイダーが演じている。

実際に数々の城を使って行なわれたロケと、本物の金銀財宝を用いた衣装の豪華さに観る者は圧倒される。
後に統一ドイツ帝国の初代皇帝となるヴィルヘルムU世の許でドイツ統一を目指していたプロイセンの宰相オットー・フォン・ビスマルク公爵の鉄血政策に翻弄されるルートヴィヒ王は、小国の君主として自らの国家を守るための何ら有効な手段を講じることも出来ず、現実から逃避して美に耽溺していくのであった。ゲイでもある王の、“君主に生まれてしまった芸術家”の悲劇に、観る者は涙せずにはおれないだろう。
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