北朝鮮映画週間の開催にあたって
北朝鮮については日々さまざまな情報が伝えられています。しかし、これほどまでに注目されていながら、北朝鮮映画に関しては、ごく1部の例外を除いて、日本国内で目に触れることはありません。カンヌ国際映画祭で上映され、フランスでは一般公開された『ある女学生の日記』も日本ではこれまで上映には至りませんでした。
「映画」はあらゆる国々で作られ、いずれ外国の観客と出会い、異文化間の情報伝達を果たしたり、ときには共通の議論の材料となってきました。それは製作者の思いや狙いが直接的に反映される「映画」という媒体の特性でもあります。「北朝鮮の映画から見えてくるものは何か?」不安や憶測が飛び交っている現在こそ、メディアを通してではなく個人が直接その国の文化に触れられる、そうした機会が作られることの重要性こそが、本映画特集の意義と考えています。


『ある女学生の日記』(2007年/100分/DV)
(C)カナリオ企画
★北朝鮮映画初 カンヌ国際映画祭上映作品 ★関西劇場初上映

スリョンは大学入学を控え進路を悩んでいた。父親は研究所の寮に暮らしながら、研究に没頭している。暖かい家庭の中にも父親のいない空虚感が次第にスリョンを押しつぶしていく。そんなとき、母親が癌であることが発覚する。それでも研究を優先させる父親に、スリョンは次第に嫌悪感を抱き始めるが…。勧善懲悪の押し売りも、無理矢理なドラマッチックさの演出もなく、淡々と描かれる女子学生の日常が逆に心に訴えかけてくる。朝鮮映画史において転機となる記念碑的作品。この映画こそが今の北朝鮮の姿だ!


『花を売る乙女』(1972年/125分/DV)
(C)カナリオ企画

北朝鮮を代表する一大革命叙事詩的作品。植民地時代、貧しい家庭に生まれた主人公のコップニは、病に臥せている母の薬代を稼ぐため、昼は地主の家で働き、夜は街に出て花を売る。そんな過酷な運命を、半ば諦めのように受け入れるコップニが、朝鮮人民革命軍(抗日パルチザン)に入隊した兄と再会し、その世界観を徐々に変えていく。闘争だけが、自らを不幸な運命から解き放ってくれる手段であると。


『洪吉童(ホンギルトン)』(1986年/108分/DV)
(C)カナリオ企画

北朝鮮初のアクション映画。主人公の吉童は、裕福な両班の家庭に生まれながら、庶子(妾の子)であるため、幼いころから虐待を受け、遂には義母に暗殺まで謀られてしまう。不条理な身分制度に耐えられなくなった吉童は家出をし、義賊へと転身。道術を使い、悪しきを討つ吉童の姿に、北朝鮮の子供たちは熱狂した。


『春香伝』(1980年/155分/DV)
(C)カナリオ企画

退伎の娘ー春香(チュニャン)と、両班の息子ー夢龍(モンリョン)。ときは15世紀、朝鮮王朝時代。徹底した封建制度下では決して許されるはずのない、身分の違う二人の恋物語。朝鮮半島に住む人なら誰もが知っている古典文学の代表作を、北朝鮮映画界が総力を結集して創った。
※当初35mmプリント上映の予定でしたが、プリントの状態が悪い為、当館での上映はDLP上映に変更となりました。予めご了承下さい。


『月尾島(ウォルミド)』(1982年/96分/DV)
(C)カナリオ企画

舞台は朝鮮西海中部に位置する月尾島。祖国解放戦争(朝鮮戦争)の真只中、米軍の上陸作戦を3日間遅延させろとの命令を受けた砲兵中隊が、文字通り青春を賭けて小さな島を守り抜く壮絶な戦争ドラマ。リ・テフン中隊長の、砲撃を指示する旗が振り下ろされた瞬間、彼らの死闘が始まる…。


『好童(ホドン)王子と楽浪(ランラン)王女』(1972年/76分/DV)
(C)カナリオ企画

高句麗時代の有名な伝説を題材にしたフランスとの合作アニメーション映画。高句麗王の命により敵対関係にあった楽浪に向かった好童王子は、美しい楽浪王女と恋に落ちる。しかし、それを知った楽浪王は裏切り者として楽浪王女を問いつめ…。


『大同江のほとりで』(1993年/110分/DV)
(C)カナリオ企画

大同江旅客船の顧問船長カン・ソンダルとウンジョン幼稚園の園長チョ・ボックム、そして浚渫(しゅんせつ)船の船長トン・チャンと水上スキー選手へヨン。年配と若者、2つのカップルの恋愛のゆくえをユーモアたっぷりに描いた作品。


『農民英雄』(1975年/165分/DV)
(C)カナリオ企画

「愛国米献納運動」の提唱者として広く知られている農民、キム・ジェウォンをモデルにした長編大作。解放前は雇われて耕作に従事する男に過ぎなかったキム・ジェウォンは土地改革によって農地の所有者となり、命を賭してその恩に報いようとするが…。


『遊園地の一日』(1978年/53分/DV)
(C)カナリオ企画

息子に恋人がいることを知らない母と、妹に恋人がいることを知らない兄は、遊園地で2人のお見合いをさせることに。一方、自分の子供と義妹に恋人がいることを知る父と義兄は、このお見合いを破談にしようと遊園地にやってきて…。心温まるコメディー映画。


『アリラン祭』(2002年/70分/DV)
(C)NSW

出席者10万人以上という、世界最大規模の祝祭にカメラが迫った。02年4月末から6月末まで、平壌の15万人を収容するメーデー・スタジアムにて、金日成主席誕生90周年を迎えて開催された祭りの模様を完全収録。スクリーンで観るマスゲームは圧巻。


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