見つめていたい
シルビアのいる街で
『ミツバチのささやき』('73)や『エル・スール』('83)で我が国にも多くの信奉者がいるビクトル・エリセ監督が“今のスペインでもっとも優れた映画作家”と断言し、2008年東京国際映画祭で旋風を巻き起こしたホセ・ルイス・ゲリンの『シルビアのいる街で』が遂にスクリーンにお目見えします。劇場公開が本邦初となるゲリン監督は1960年スペインのバルセロナ生まれ。小津安二郎とF.W.ムルナウを敬愛する彼は、1990年にジョン・フォード監督の『静かなる男』('52)へオマージュを捧げたドキュメンタリー『イニスフリー』で一躍世界の注目を浴び、以来現実と虚構の境界線上で野心的な映画製作を続ける孤高の映像作家です。

監督自身の実体験を基に、19世紀フランスのロマン派詩人ジェラール・ド・ネルヴァルの『シルヴィー』からヒントを得て製作された本作は、6年前に愛しあった女性シルビアの面影を求めて想い出の地をさまよう画家志望の青年のオブセッションに満ちた恋物語。フランスの古都ストラスブールを舞台に、アルフレッド・ヒッチコックの『めまい』('58)を彷彿とさせるサスペンスに満ちた美女の追跡劇が緻密な音響設計と光溢れる美しい画面の連鎖で展開され、見るものをどことも知れぬ異空間へと誘ってくれます。

(2007年/スペイン=フランス/85分/コミュニティシネマ)
 
ホセ・ルイス・ゲリン
グザヴィエ・ラフィット 、ピラール・ロペス・デ・アジャラほか
1,500円【上映初日の前日まで販売】
一般1,800円
専門・大学生1,500円
中・高・シニア1,000円
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