ブリューゲルとは?
16世紀ネーデルラントの最も偉大な画家。聖書の世界や民衆の祝祭、子供の遊びなどを主題とする版画や油彩画は、人間に関する深い哲学的な省察に基づいている。他方、農民を描いた油彩画は、親近感のある眼差しで生き生きとした彼らの生活を描き、当時から異色の画家として注目された。また諺を通じて民衆の知恵を表現し、寓意的な主題で人間の弱点、無知、愚行などを批判的に描写し、ネーデルラントを治めていたハプスブルク家の支配者や人文主義者たちからも高い評価をうけた。
生地や生年についてはいまだ定かではない。アントワープで修業し、聖ルカ組合に親方として登録。その後、数年間イタリアに滞在したが、イタリア・ルネサンス絵画の影響は生涯、あまり受けなかった。彼はむしろネーデルラントの伝統的な絵画を再評価したように思われる。帰国後、アントワープでヒエロニムス・コックの国際的な版画店のために、数多くの版画の下絵素描を制作した。とくに広場での群衆構図の手法をも培った。油彩画時代には農民の四季の労働や人物を中心とする道徳教訓的な寓意画の世界に専心した。1563年にブリュッセルに移住、師であるピーテル・クック・ヴァン・アールストの娘マイケンと結婚。1569年没。

摩訶不思議 寓話の世界に 迷い込む
ブリューゲルの動く絵
2011年 サンダンス映画祭 ニュー・フロンティア部門正式出品
2011年 ロッテルダム国際映画祭 スペクトラム部門正式出品
2011年 ヨーテボリ国際映画祭 ヴィジョナリー部門正式出品
フランスプレミア上映 ルーブル美術館
第24回東京国際映画祭 特別招待作品

ブリューゲルの絵が動く!
絵画の中に入りこみ旅するような、新しい体感型アートムービーの誕生
《バベルの塔》《雪中の狩人》や寓話的な版画で人気の高い16世紀フランドルの巨匠ピーテル・ブリューゲル。『ブリューゲルの動く絵』はまるで絵の中に入り込み、絵画の世界を旅するような新しい絵画体験が味わえる体感型のアートムービー。ルトガー・ハウアー演じる画家ブリューゲルに導びかれ、絵の中の人々の日常生活をなぞりながら、やがて名画に秘められた意味もが解き明かされてゆく。絵画そのままの衣装をまとった豪華キャストらにより名画《十字架を担うキリスト》を再現した本作。最新の技術を駆使した美しい映像と、風車の回転や風景が奏でる荘厳な音に包まれ、3Dのような奥行きのある絵画空間に出合うことができる。

ルーブル美術館でプレミア上映された
ウィーン王室の至宝《十字架を担うキリスト》の魅惑の世界
ウィーン美術史博物館が誇るブリューゲルコレクションの逸品《十字架を担うキリスト》は、ゴルゴダの丘へ十字架を背負い歩くキリストの受難を描いた名作。ブリューゲルは16世紀のアントワープを舞台に聖書の物語を描くことで、いつの時代にも通じる人間の愚かな振る舞いへの警鐘をこめた。映画では絵画にはない人々の日々の営みを暖かく見つめ、私たちの目前に、生きた物語としてブリューゲルの世界を蘇らせている。

監督は『バスキア』(ジュリアン・シュナーベル監督)の原案・脚本を手がけたほか、NYのMoMAやヴェネツィアビエンナーレなどで作品が展示されるなど、アート界でも活躍するポーランドの鬼才レフ・マイェフスキ。その鋭い感性がブリューゲルの精神と共鳴し、アートそして映画ファンをも魅了した『エルミタージュ幻想』(アレクサンドル・ソクーロフ監督)や『真珠の首飾りの少女』(ピーター・ウェーバー監督)に劣らぬ傑作をうみだした。主演は『ブレードランナー』で知られるルトガー・ハウアー。これまでのイメージをうち破り、美術史上の哲人役を堂々とした風格で演じている。また聖母マリア役にシャーロット・ランプリング(『まぼろし』、『メランコリア』)、ブリューゲルのコレクター、ヨンゲリンク役にマイケル・ヨーク(『オースティン・パワーズ』)ら映画界の実力派俳優たちが脇を固めている。

(2011年/ポーランド=スウェーデン/96分/PG12/DV/ユーロスペース=ブロードメディア・スタジオ 配給)
レフ・マイェフスキ
ルトガー・ハウアー、シャーロット・ランプリング、マイケル・ヨーク ほか
1,400円【公開初日前日まで販売】
一般1,700円
専門・大学生1,400円
中・高・シニア1,000円
小人(3歳以上)700円
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