2022年 / 日本 / 86分 / ブライトホース・フィルム 配給
監督島田隆一
撮影林 健二、前田大和
編集遠山慎二
整音川上拓也
音楽河北聖子
「父親」になったゲイの男性と、施設で育った「息子」
これは少し不思議な、普通と違った「家族」のドキュメンタリー
児童養護施設等の子どもたちの自立支援団体で働く網谷勇気(40)。自身がゲイである彼は、様々なマイノリティのための団体を立ち上げ、講演会なども行っていた。
ある日、彼は小さなアパートに引っ越し、一人の青年・渉(20)を迎え入れる。渉は、勇気がこれまで支援してきた子どもたちのうちの一人であったが、あるとき、事件を起こし拘置所に入れられてしまう。身の置き場を失った渉に対し、勇気は養子縁組をすることで、自らが父親となって共に暮らすことを申し出たのであった。
幼少期より児童養護施設に預けられ、両親の顔も知らずに育った渉と、それまで家族をつくることを想定していなかった勇気。照れ臭さと緊張をにじませながら、二人の新たな共同生活が始まった。複雑な生い立ちを抱え、多感な年頃である渉との関わり方に勇気が戸惑うなか、生まれて初めて帰るべき家を手に入れた渉は、アルバイト生活を送りながら自身の夢へと動きだしたのだが…。
『春を告げる町』『ドコニモイケナイ』島田隆一最新作
どんな枠組みにもとらわれない 二人だけの家族の「カタチ」
これは少し不思議な、普通と違った「家族」のドキュメンタリー
監督は、ゼロ年代に生きる若者の夢と挫折を描いたデビュー作『ドコニモイケナイ』(12)で第53回日本映画監督協会新人賞を受賞し、2作目の『春を告げる町』(19)では、福島県広野町を舞台に震災の復興とは何かを問いかけた島田隆一。新たに始まった共同生活を1年にわたり記録した島田は、そこに生じるぎこちなさや軋轢、そして静かな心の交流を描き出している。被写体を見つめるカメラは親密でありながらも時に残酷なほど冷徹な眼差しを向け、感情の機微を丁寧にすくい上げる。また、極力説明を省くことにより、決して理解することができない他者への想像力を掻き立てていく。
それぞれに普通の家族や人生を選択してこなかった/できなかった歳の離れた二人の男性がゼロから新たな関係を作る。それは二人の「生きなおし」の旅でもあった。どんな枠組みにもとらわれず、人が人とどう繋がりをもつことができるのか。そんな困難な問いを、本作はしなやかに捉えている。
3/11(土)~17(金) | 16:50 3/11 上映後舞台挨拶 |
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3/18(土) | 18:50 | ||
3/19(日) | 16:55 | ||
3/20(月)~24(金) | 19:05 | ||
3/24で終了予定 |
一般 | 1,800円 |
シニア | 1,200円 |
専門・大学生 | 1,000円 |
中学生・高校生 | 1,000円 |
小学生以下 | 700円 |
会員 | 1,000円 |
★入場システム、サービスデー・その他割引 |