2020年/日本/108分/ギャガ 配給
監督豊島圭介
出演三島由紀夫、芥正彦、木村修、橋爪大三郎、篠原裕、宮澤章友、原昭弘、椎根和、清水寛、小川邦雄、平野啓一郎、内田樹、小熊英二、瀬戸内寂聴
稀代のスーパースターと反逆のエリート東大全共闘のスリリングな直接対決 伝説の討論会の全貌を明かす 衝撃のドキュメンタリー!
禁断のスクープ映像、その封印が遂に紐解かれた! 稀代の天才作家・三島由紀夫と、血気盛んな東大全共闘の討論会の全貌だ。時は1969年5月13日。東大駒場キャンパスの900番教室に、1000人を超える学生たちが集まり、三島を今か今かと待ち受けていた。旧体制変革のためには暴力も辞さない東大全共闘のメンバーが、この討論会の首謀者だ。世界各国が政治の季節に突入していたこの頃、日本でも自分たちの手で国を変えようとする学生運動が激化していた。この年の1月には、安田講堂を占拠していた東大全共闘に対して機動隊が出動、ガレキと火炎瓶で迎え撃った学生たちが、機動隊の催涙弾と放水攻撃の前に敗北するという事件が起きていた。今の日本では想像もつかないほど、センセーショナルな嵐が吹き荒れていた時代なのだ。そんな危険きわまりない若者たちが、「三島を論破して立ち往生させ、舞台の上で切腹させる」と盛り上がり、異様なテンションが充満している敵地に、三島は警察が申し出た警護も断り、その身一つで乗り込んで行った。この頃の三島はノーベル文学賞の候補にもあがった世界的な文豪であると同時に、俳優、映画監督、舞台演出家としても活躍し、その一挙手一投足が常にメディアを賑わせる、まさにカルチャー界のスーパースター的存在だった。一方で、肉体を鍛え上げ民兵組織〈楯の会〉を率いる天皇主義者としても知られていた。どこを切っても正反対、ベクトルは真逆の三島と東大全共闘。果たして、言葉の銃で撃ち合い、論理の剣で斬り合う、スリリングな討論アクションによる死闘の行方は─?
TBSだけが保管する、つまり〈世界にただ一つ〉の貴重な討論会の映像を、大きなスクリーンで観てもらいたいというプロデューサー陣の想いから、映画化が実現した。この討論会をより面白くより深く楽しむために、4人の識者に当時の時代背景、三島の文学的・政治的・社会的バックボーンとその人間性についての解説が依頼された。デビュー作「日蝕」で三島由紀夫の再来と称えられた小説家の平野啓一郎、この討論の翌年に東大に入学した神戸女学院大学名誉教授の内田樹、60年代の研究で知られる社会学者の小熊英二、三島にファンレターを出して以来交流のあった作家で僧侶の瀬戸内寂聴という錚々たる顔ぶれだ。さらに、東大全共闘随一の論客との呼び声高く、三島とドラマティックな舌戦を繰り広げた芥正彦を始めとする元東大全共闘のメンバー3人、三島の護衛のため自主的に900番教室に潜んでいた原昭弘を含む元楯の会一期生3人の生き証人が、今だからこそ話せる〈言葉と行動の裏側と真実〉を語り尽くす。そこへ、雑誌のカメラマンとして討論会に派遣されていた元新潮社カメラマン・清水寛、最前列で取材していた元TBS記者・小川邦雄の二人の目撃者と、三島と公私共に親しかった「平凡パンチ」の元編集者・椎根和が加わる。合計13人のインタビュイーが紐解くことによって、三島最大の謎である討論の翌年に決行された自決への想いまでもが炙り出されていく。また、この討論会を今こそ見るべき理由が明確となっていくのだ。ナレーターは、三島由紀夫原作の舞台「豊饒の海」で主演を務め、三島文学を愛する東出昌大。監督は900番教室で実際に学んでいた、東京大学教養学部卒業の豊島圭介。討論バトルに感銘を受け、自身も元東大全共闘の面々に勇猛果敢に切り込んだ。まばゆい輝きと圧倒的な熱量を放つ三島の言葉が学生たちを貫き、現代の私たちにも本気で生きる瞬間を体感させる、衝撃のドキュメンタリー。昭和から令和への貴重な遺産である〈伝説の討論会〉が、50年の時を経て永遠に蘇る─!
2020/11/28(土)~12/18(金) |
- 上映は終了しました -
一般 | 1,800円 |
シニア | 1,100円 |
専門・大学生 | 1,500円 |
中学生・高校生 | 1,000円 |
小学生以下 | 700円 |
会員 | 1,000円 |
★入場システム、サービスデー・その他割引 |