2019年 / ブラジル / 93分 / 太秦 配給
監督エリザ・カパイ
製作アリアナ・ジェネスカ
撮影エリザ・カパイ、ブルーノ・ミランダ
現実は想像を凌駕する
2010年代、激動したブラジル社会の変遷を当時の学生たちの視点から描いたドキュメンタリー。2013年6月、ブラジル・サンパウロの路上で公共交通料値上げに対する抗議デモが起こる。その運動はやがて、物価上昇やLGBTQ+、女性の権利、人種差別などさまざまな社会問題に対する抗議へと広がっていき、15年には公立学校再編案に反対する高校生たちがブラジル全土で学校を占領する事態に発展する。高校生たちによる革命が起きようとしていたが、たび重なる汚職や治安悪化で支持を失い倒れた左派政権に代わり、「ブラジルのトランプ」と称されるジャイル・ボルソナロによる極右政権が成立する。本作では、学校占領の当事者だった3人の若者が当時の運動を振り返り、発達した公共政策の下で育った最初の世代である彼らが、混迷し、右傾化していくブラジル社会の在り方を問いただしていく中で、社会に対する希望と不安を浮き彫りにする。山形国際ドキュメンタリー映画祭2019インターナショナル・コンペティション部門優秀賞受賞。
高校生たちの言葉で紡ぐ、青春群像ドキュメンタリー!
初の極右政権成立にゆれるブラジル社会。これは“わたし”の闘争だ。
2013年6月、ブラジル・サンパウロの路上で公共交通料金賃上げに対する大規模な抗議デモが起きた。初めはバス料金20セントに対する要求だったものが、次第に政治に対する深い嫌悪感のなかで、物価上昇や重税、LGBTQ+や女性の権利、人種差別など、様々な問題に対する抗議へと広がっていった。そして2015年10月、サンパウロの高校生たちが公立学校の予算削減案に抗して自らの学校を占拠し始めた。この運動はブラジル全土を巻き込み、翌月には200以上の学校が占領されるまで発展、ブラジル社会で高校生たちによる大きな変革が起きようとしていた。しかし、その期待は学校占拠から3年後、ブラジル初の極右政権が成立するとともに裏切られることになる。たび重なる汚職や治安悪化によって、14年間続いた左派政権は群衆の支持を失い、「ブラジルのトランプ」と称されたジャイル・ボルソナロにその座を明け渡したのだった。本作はそんな激動の2010年代ブラジル社会を学生たちの視点から描いたドキュメンタリーである。当事者である3人の高校生が当時の運動を振り返りながら、それぞれの意見をヒップホップ・ミュージックに乗せラップバトルのように衝突させていく。進歩的な公共政策の下で育った最初の世代である彼らが、混迷化し、そして急速に右傾化していくブラジル社会を糾弾していく過程で、学生たちの社会に対する希望と不安とが浮き彫りになっていく。
ボルソナロ大統領就任の2ヶ月後、ベルリン映画祭のジェネレーション部門で初公開され、アムネスティ・インターナショナル映画賞と平和映画賞を受賞。その後各地の映画祭で上映を重ね、2019年山形国際ドキュメンタリー映画祭で優秀賞を受賞した本作が待望の日本公開!新型コロナウィルスの流行とその対応によって、さらに混迷を極めつつある今こそ、振り返るべき“闘争の記録”がここにある…!
2021/11/13(土)~2022/11/26(金) |
- 上映は終了しました -
一般 | 1,800円 |
シニア | 1,200円 |
専門・大学生 | 1,000円 |
中学生・高校生 | 1,000円 |
小学生以下 | 700円 |
会員 | 1,000円 |
★入場システム、サービスデー・その他割引 |