巨匠ジャン=リュック・ゴダール追悼上映2
女は女である (1961年 / フランス=イタリア / 84分)
女と男のいる舗道 (1962年 / フランス / 84分)
パリところどころ (1965年 / フランス / 97分)※第五話「モンパルナスとルヴァロワ」がゴダール監督作品
女は女である
1961年/フランス=イタリア/84分/カラー/モノラル/シネスコ
キャバレーの踊り子アンジェラは、今すぐにでも子どもが欲しいと思っている。しかし恋人のエミールはそん な彼女に戸惑いを隠せない。そんな最中、アンジェラに想いを寄せていた青年アルフレッドが現れる―。 “登場人物が歌わないミュージカル・コメディ”という発想に基づいて作られた多幸感溢れるサウンドトラック。
監督・脚本:ジャン=リュック・ゴダール 音楽:ミシェル・ルグラン 撮影:ラウル・クタール 製作:ピエール・ブロンベルジェ 出演:アンナ・カリーナ、サディー・レボー、アンドレ・ラバルト
女と男のいる舗道
1962年/フランス/84分/モノクロ/モノラル/スタンダード
パリのあるカフェで、ナナは夫と人生を語りあった末に別れることに。家賃も払えないほどの生活に陥ったナ ナは街で男を誘い売春をするようになる。やがてナナは、見知らぬ男たちと関係を持つのに無感覚になってい く。 主題に対して11の変奏曲が用意されるも、使用されたのは、そのうちわずか8小節。全編にわたって鳴り響く、 哀愁漂う悲痛な旋律。
監督・脚本:ジャン=リュック・ゴダール 音楽:ミシェル・ルグラン 撮影:ラウル・クタール 製作:ピエール・ブロンベルジェ 出演:アンナ・カリーナ、サディー・レボー、アンドレ・ラバルト
パリところどころ
1965 年製作/フランス映画/97 分/カラー/スタンダード/モノラル/ニュープリント版
第 1 話 SAINT GERMAIN DES PRÉS サン・ジェルマン=デ=プレ パリ6区のサン・ジェルマン=デ=プレ教会。その前のボナパルト通りを歩くとセーヌ河に出、芸術橋の先にはルーヴル宮が見える。この界隈は多くの芸術家を生んだとカフェ・ド・フロールなどと共に、政経学院やボザールなど多数の大学や学校がある。 学士院に近いセーヌ通りの屋根裏部屋付きのアパルトマンに暮らす"大使の息子"ジャンはドラゴン通りのアカデミーに通うデッサン科の留学生キャサリン(カトリーヌ)と出会い、朝を共に迎えた。ジャンは用 事があるからと外出を急ぐ。彼女が学校に行くと、ナンパ男レイモンが教室まで付いて来る。教室に入るとジャンがヌード・モデルをしていた。ビックリした彼女は教室を飛び出すと、レイモンは彼女を家まで誘う。しかし、それはジャンとすごした場所。知らないフリをして話しを聞くが、イイ加減に頭にきて学校に戻ると、例のジャンは新しいカモの女性を連れて、学校を出るところだった。
第 2 話 GARE DU NORD 北駅 パリ 10 区にある北駅は名の通り、リール、ロンドン、ブリュッセル、アムステルダムなどに向かう際に利用する国鉄の駅であると共に、シャルル・ド・ゴール空港に行く近郊線や、入り組んだ地下鉄も四方に伸びるパリの重要な駅。ひとブロック隣はストラスブールや先のドイツなど東へ向かう東駅(Gard de l'Est)である。 オディールとジャン=ピエールは、北駅も東駅からも離れたアパートに暮らすカップル。朝食を工事の騒音で不機嫌ぎみな二人。二人は結婚や旅行や生活のことで口論となり、彼女はカッとしたまま出勤。 そこへ、車で彼女に当たりそうになった見知らぬ男が送りますと話しかけ、意味不明な事を話した後、北駅の線路の上を通るラ・シャペル大通り(Boulevard de la Chapelle)の橋の上から飛び下り自殺し、彼女は絶叫する。
第 3 話 RUE SAINT DENIS サン・ドニ街 メトロ駅ストラスブール=サン・ドニ駅の近くにそびえる2つ門、ポルト・サン=マルタンとポルト・サン=ドニ。この2つの間のほんの短い区間をサン=ドニ大通り(Boulevard St-Denis)と呼び、ポルト・サン=ドニ真横に立てに長く続く道が、パリ2区のポルノ・ショップや連れ込み宿が建ち並ぶ歓楽街がサン・ドニである。 客レオンは、そのサン・ドニ通りでよりによって大姉御風の娼婦を選び、自分の住む暖房もない手狭なアパートに連れ込むが、奥手な彼は他愛ない話と場繋ぎの食事で、なかなか事に運べず、娼婦の何度も先導の果てに...
第 4 話 PLACE DE L'ETOILE エトワール広場 凱旋門を中心に 12 ブロックに区切れる大きなシャルル・ド・ゴール=エトワール広場は、シャンゼリゼ大通りがある観光客お馴染みの8区と、高級住宅街が 16 区の境。地下鉄駅は乗り換え地点であることと広場の下という事もあり、広大で出口を誤るとえらく遠回りになってしまう疲労困ぱい必至の観光客には鬼門ポイント。 地下鉄通勤も心得ている紳士服の店員ジャン=マルクは、ワグラム通りにある店に行くまでのより近いルートを知っている。しかし今日は地下鉄で女性にヒールで足をふまれて靴を傷つけられ、工事中の道では泥が付き、よろよろ歩く男に当たって因縁を付けられ、突き飛ばした際にもっていた傘を握ったまま気絶されるといった具合。店で傘を買い直し、翌日の新聞の死亡記事をきにしていたら、その男は電車内で他の客にも因縁つけて大騒ぎ。ホッとし、地上に出て傘を開くと女性にぶつかるが、今度は問題なし...。
第 5 話 MONTEPARNASSE ET LEVALLOIS モンパルナスとルヴァロワ 左は 15 区、右は 14 区という境にあるモンパルナスは、ボルドーなどに向かう国鉄モンパルナス駅と広大な地下鉄モンパルナス=ビヤンヴニュー駅がある。ルヴァロワは現在は存在しないが、メーヌ通り(Avenue du Maine)を挟んで劇場街のゲテ通りとは反対側にある現ジャン=ゼイ通り(Rue Jean Zay)で、 速達で手紙を出すより届けるのも可能な距離!なお、パリ郊外のナンテールのルヴァロワ通りがあるが、全くの別もの。 浮気な娘モニカは、モンパルナスの地下鉄出口近くで2つのラブレターを便箋に入れて封をして速達ポストに投函する。その直後中身が逆だったと気づき、慌てた彼女はダッシュで鉄鋼アーティストのイヴォンのアトリエに直行。彼女は自分を愛しているかしつこく確認した後、手紙を誤って出した事を告白する。しかし、彼は飽きれて彼女を追い出す。ジャン=ゼイ・ルヴァロワ広場にあるロジェのガレージに向かった彼女は、速達がもう届いていたことを知り、浮気相手の事を話して許しを請う。しかし、手紙の中 身は当人宛で、怒ったロジェは彼女を追い出す。二頭追う者は一頭も得ず!
第 6 話 LA MUETTE ラ・ミュエット ラ・ミュエットとは 16 区の高台の高級住宅街で、ブローニュの森もすぐ近くという立地。その"ミュエット"とは"盲啞"という意味だが、このエピソードのみ室内劇仕立てでパリの街はブルジョワの家庭の少年が通学する際に喧騒と共に登場する。 授業を終えた少年は、ラ・ミュエットにある邸宅に戻ると、セクシーなメイド(ダニー・サリル)が迎えられ、 部屋に入る。帰宅した父の部屋に勉強について質問しに行くと、部屋では父がメイドと妖しい関係に。 夕食では父と母がいつも口論。いがみ合いを聞かないで済むように少年は耳栓をする。以来、両親は口論は彼の耳には聞こえない。父が出勤するのを追って罵倒する母。しかし彼女は階段で滑り階下へ滑り落ちて打ち所が悪く息を引き取る。息子は彼女の叫びも聞こえぬまま、いつものように通学する...
10/22(土) | 20:00 | 女は女である | |
10/23(日) | 20:00 | 女と男のいる舗道 | |
10/24(月) | 19:25 | 女は女である | |
10/25(火) | 19:25 | 女と男のいる舗道 | |
10/26(水) | 19:25 | 女は女である | |
10/27(木) | 19:25 | 女と男のいる舗道 | |
10/28(金) | 19:25 | パリところどころ | |
10/28で終了 |
2022/10/22(土)~2022/10/28(金) |
- 上映は終了しました -
一般 | 1,500円 |
シニア | 1,200円 |
専門・大学生 | 1,000円 |
中学生・高校生 | 1,000円 |
小学生以下 | 700円 |
会員 | 1,000円 |
★入場システム、サービスデー・その他割引 |