2022年 / ルーマニア・フランス・ベルギー / 127分 / インタ―フィルム 配給 / 公式サイト
監督・脚本クリスティアン・ムンジウ
出演マリン・グリゴーレ 、エディット・スターテ、マクリーナ・バルラデアヌ、オルソルヤ・モルドヴァン、アンドレイ・フィンティ、マーク・ブレニッシ、オビテュ・クリサン
全国共通券1,500円【公開前日まで劇場窓口にて販売】
ルーマニア・トランシルヴァニア地方の小さな村の諍いが、幾多の火種を抱えたヨーロッパの不穏な新世紀、分断された世界の今をあぶり出す、戦慄の社会派サスペンス
東ヨーロッパのルーマニアは豊かな自然に恵まれ、数多くの世界遺産や歴史的建造物で知られる国だが、2000年代半ば以降、映画芸術の分野においても特別な存在感を示している。ふたりの女子学生がたどる壮絶な運命を通して、1980年代のチャウシェスク独裁政権下のおぞましい社会状況を描いた『4ヶ月、3週と2日』(2007)が、カンヌ国際映画祭パルムドール有力な国際映画祭のコンペティションを席巻し、厳格なまでにリアリスティックかつミニマルな様式で社会と人間を鋭く見すえたそれらの作品群は、ルーマニアン・ニューウェーヴ
とも称されるようになった。ラドゥ・ジューデ監督のベルリン国際映画祭金熊賞受賞作『アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ 監督〈自己検閲〉版』(2021)が、日本でも大きな反響を呼んだことは記憶に新しい。
そんなテーマと作風の両面で刺激的なルーマニアン・ニューウェーヴの潮流を牽引してきた映画作家がクリスティアン・ムンジウである。前述した『4ヶ月、3週と2日』に続く『汚れなき祈り』(2012)ではカンヌ国際映画祭の女優賞と脚本賞を受賞し、『エリザのために』(2016)では同・監督賞に輝いた。
そして6年ぶりに完成したムンジウ監督の待望の最新作『ヨーロッパ新世紀』は、ルーマニア中部のトランシルヴァニア地方を舞台にした群像劇。小さな村で起こったささいな対立が深刻な紛争へと発展していく様を描きながら、幾多の火種を抱えたヨーロッパ、そして分断された世界の危うい現状を、まざまざとあぶり出した戦慄の社会派サスペンスである。
鉱山の閉鎖によって、経済的に落ち込んだトランシルヴァニア地方の村。出稼ぎ先のドイツで暴力沙汰を起こした粗野な男マティアスが、この土地に舞い戻ってくる。しかし疎遠だった妻との関係は冷めきっており、森でのあることをきっかけに口がきけなくなった幼い息子、病気で衰弱した高齢の父への接し方にも迷うマティアスは、元恋人のシーラに心の安らぎを求める。ところがシーラが責任者を務める地元のパン工場が、スリランカからの外国人労働者を迎え入れたことをきっかけに、よそ者を異端視した村人たちとの間に不穏な空気が流れ出す。やがて、そのささいな諍いは村全体を揺るがす激しい対立へ
と発展し、マティアスやシーラの人生をも一変させていくのだった……
- 開催終了しました -
2023/10/14(土)~2023/11/3(金祝) |
- 上映は終了しました -
一般 | 1,900円 |
シニア | 1,300円 |
専門・大学生 | 1,000円 |
中学生・高校生 | 1,000円 |
小学生以下 | 700円 |
会員 | 1,100円 |
★入場システム、サービスデー・その他割引 |