ダーク・スター〈デジタルリマスター版〉

ジョン・カーペンター伝説のデビュー作
倦怠と思索のカルト・スペース・オデッセイ、再び。

監督・製作・音楽:ジョン・カーペンター
製作総指揮:ジャック・H・ハリス
脚本:ジョン・カーペンター、ダン・オバノン
撮影:ダグラス・ナップ
プロダクションデザイン・編集:ダン・オバノン
出演:ブライアン・ナレル、ドレ・パヒッチ、キャル・クニホルム、ダン・オバノン、ジョー・サンダース、マイルス・ワトキンス

提供:JAIHO/配給:グッチーズ・フリースクール
1974年/アメリカ/83分

<INTRODUCTION>
1974年、映画史の片隅で奇跡のように誕生した本作『ダーク・スター』は、当時無名だったジョン・カーペンターとダン・オバノンの手による、予算なし、スターなし、しかし脳だけが生きている船長、ビーチボールのようなエイリアン、思考する爆弾など個性的なアイデアが満載の伝説的SF映画だ。 SFのフォーマットを借りながら、人間存在の不条理と孤独、そして“思索することの意味”を問う。本国アメリカでの劇場公開から50年。ジョン・カーペンターによる、存在論的ユーモアが再びスクリーンへ帰還する。 SF映画史を語る上でマスターピースとなる本作を、ぜひ映画館のスクリーンで鑑賞してほしい。

宇宙の片隅で、退屈と哲学が爆発する——

時は未来。人類はついに宇宙への進出を果たし、植民地惑星の拡大を始めていた。〈ダーク・スター号〉は、その開拓ルートを確保するため、「不安定な惑星を破壊する」という非常に地味で危険な任務を担う特殊部隊船。だがこの船は、20年前に出発してからというもの、ほぼ放置されたまま宇宙を漂い続けていた。
乗組員たちは、かつての理想を忘れ、機械の故障と慢性的な退屈のなかで次第に“何のために働いているのか”すら分からなくなっていく。
ある事故をきっかけに、命令を受けて爆破されるはずだった20号爆弾が、“自分とは何か?”、“本当に爆破すべきなのか?”と考え始める。
人間よりも真剣に存在を問う爆弾。思索の果てに、爆弾が出した結論とは?

<ABOUT THE FILM>
制作当初のタイトルは『エレクトリック・ダッチメン』であり、もともとはジョン・カーペンターが南カリフォルニア大学(USC)に在学中に一部を制作した、20分の白黒学生映画として構想されていた。『ダーク・スター』はカーペンターの長編映画デビュー作である。AMPAS(映画芸術科学アカデミー)図書館の『Cinema Texas Program Notes』によると、本作の上映時間が50分であったことが問題となった。これは劇場公開用としては短すぎ、映画祭向け作品としては長すぎたためである。
現代の情報源によれば、大学で高い評価を受けた後、1973年にフィルメックス(Filmex)で上映され、これを観たプロデューサーのジャック・H・ハリスが配給権を取得。16mmフィルムを35mmに光学拡大する手配をし、さらに追加で38分間の映像を撮影して、劇場公開に適した長編映画として完成させた。 この映画は、HR、LAHE、Boxから好意的なレビューを受けたが、多くの当時の批評家はLATによる「学生作品としては非常に野心的」という評価に同意していた。TimeとVarは控えめな評価を下しつつも、SFジャンルへのリスペクトがある点を評価している。『ダーク・スター』の特撮やコメディ的な展開はしばしば称賛され、脚本や演技に対する否定的な評価を相殺する要素となっていた。
Boxのレビューによれば、本作はSFファンにアピールする内容であり、「カルト作品となる可能性がある」とされている。多くの当時の批評家は、『ダーク・スター』を1968年のスタンリー・キューブリック監督によるMGM作品『2001年宇宙の旅』に触発された風刺作品と見なしていた。
最新の情報源によると、ダン・オバノンは『ダーク・スター』に登場するエイリアンのマスコットキャラクターが、後に彼が脚本を手がけた1979年の20世紀フォックス作品『エイリアン』のインスピレーションになったと語っている。また、カーペンターがUSCの職員とのトラブルの末、深夜に自分の映画を「盗み出す」ために大学に“侵入”したという「伝説」も現代の情報源によって語られている。 当時のレビューには記載がなかったが、現代の情報源は、宇宙飛行士たちが互いに離れて宇宙を漂っていくラストシーンのインスピレーションとして、レイ・ブラッドベリの短編小説『万華鏡(Kaleidoscope)』を挙げている。

料金
一般1,900円
シニア1,300円
専門・大学生1,000円
中学生・高校生1,000円
小学生以下700円
会員1,100円
★入場システム、サービスデー・その他割引