100万カットの記憶

⽔俣からソウル、ハノイ、平壌まで。
僕は現場に⽣き続ける。

監督:コ・ヒヨン 出演:桑原史成、桑原和子 他
2025|韓国映画|日本語・韓国語|原題:사진의얼굴|英題:A Portrait of Photography|DCP|98分 © A SoomBe Production
公式サイト

歴史的瞬間を客観的に捉えた報道写真家・桑原史成

1965年、29歳の青年はソウルの中心で、デモ隊の喊声(かんせい)のただ中に立っ ていた。日韓協定――屈辱的な協定に反対して集まった大学生たちは、公権力の抑圧 にも屈することなく、雨の中で沈黙の抵抗を続けていた。1960年代半ばから1970年 代末にかけて、韓国の政治状況は独裁という長いトンネルの中にあった。それでもな お抗い続ける人々の声は、日本の若き写真家にとって、韓国現代史の現場へと身を投 じる決定的な契機となった。あの日を起点に、60年にわたり韓国を記録し続けること になり、自ら立ち会った瞬間を、視覚的な証拠として刻み続けてきた。 その彼の名は、桑原史成(しせい)。1962年に水俣を撮影した作品で報道写真家と してデビュー。1964年、日韓国交正常化前夜の韓国に渡り、市井の人々の姿を克明に 記録した写真群が、その後の代表作「水俣・韓国・ベトナム」等に結実。以降も、桑 原は南北朝鮮の双方に足を踏み入れるという稀有な経験を通して、分断国家の現実を 一貫して写し続けてきた。また日本では、水俣病の被害者たちに長期的に寄り添い、 被写体との深い関係性を築きながら、人間の尊厳と記憶を写し出す仕事を60年以上に わたって継続している。政治、公害、分断といった主題に真正面から向き合い、2014 年には土門拳賞を受賞。同時代の記録者として、後進に計り知れない影響を与えてき た、日本を代表する報道写真家である。

報道写真家・桑原史成、89歳。人生をかけて撮り続けた「韓国」へ再び向かう―

東京のとある住宅の暗室で一枚の写真が静かに浮かび上がる。 その写真は1964年のあの日の韓国、激動の歴史のただ中へと私たちを導く。 水俣病の記録で知られる報道写真家・桑原史成は、27歳で初めて韓国を訪れて以来、 60年にわたり清渓川、米軍基地周辺のキャンプタウン、ベトナム戦争への派兵、民主 化運動の爆発的な拡大など、激動の韓国現代史を、人生をかけて撮り続けてきた。 そこには血と汗と涙で染まった韓国人の熾烈で壮大なドラマが写り、刻まれている。 時には罵声を浴び、そして入国を拒まれてもなお、彼が韓国の地でシャッターを切り 続けてきた理由は何だったのか。そして、韓国での出会いから日本に移り住み、ずっ と寄り添ってきた妻・和子の史成への想いも交差する。 高齢となった今、これが最後になるかもしれない旅へと向かい、写真にある「顔」を 訪ねる。 水俣、ソウル、ハノイ、平壌などでこれまで撮影された約100万カットの中から厳選 された力強い写真の数々とその生き様を通して、写真とは何か、記録とは誰のために あるのかを静かに問いかけるドキュメンタリーが誕生した。 我々は歴史の生き証人と、同じ視線に立つ。

舞 台 挨 拶
9/26(土)上映後 舞台挨拶予定
登壇者|桑原史成さん(本作出演)、後藤 剛さん(写真家)
上映スケジュール
9/26(土) 12:15
9/27(日)~10/2(金) 11:50
10/3(土)~9(金) 10:00
※10/9で終了予定
料金
一般1,900円
シニア1,300円
専門・大学生1,000円
中学生・高校生1,000円
小学生以下700円
会員1,100円
★入場システム、サービスデー・その他割引